哺乳類・単孔目・カモノハシ科  体長 35〜50cm程度 棲息地域 オーストラリア東部、タスマニア

カモノハシは不思議な動物です。鴨やアヒルのようなクチバシがあって卵を生みますが、乳で育てる哺乳類です。
単孔目というのは、鳥や爬虫類と同じように、卵も排泄も同じ所から行うために名付けられました。
この仲間は、カモノハシの他にはハリモグラがいるだけで、爬虫類と哺乳類を結ぶ進化の中に、忘れて取り残されたような存在です。

カモノハシはビーバーのように、水の中に適応しています。四肢に水掻きがあり、長く扁平な尾で水中を泳ぎ小魚や海老、貝、水棲甲虫、ミミズなどを食べています。
クチバシは鴨やアヒルと違って柔らかく、水中で触角のように餌を探す役割をしているようです。
体温は25〜36度の間で、恒温動物ですが変温動物的な部分も残っており、また、仔を乳で育てるのですが、乳首はなく、仔はお腹にある乳腺から、汗のようにしみ出た乳をなめて育ちます。

あまり知られていませんが、牡の後ろ足の蹴爪には毒があります。人間が死ぬほどではないようですが、ペットにはむかないようですね。
もともと数が少ない動物ですが、水辺の環境が悪化してきて棲息地が減少しているため、絶滅が危惧されている貴重な動物なので、オーストラリア政府が厳重に保護しています。
残念ながら、日本ではカモノハシを見ることはできません。