美術茶論

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ライブギャラリーBe.Too
第54回ベスト10発表

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2002年12月24日〜01月13日

ぺっこり夢 2002/12/24/〜2003/01/13投票順位 

順位
作品ナンバー
作品名
会員名
レイティング
展示数
選出数
1
0199-0006-11
 揚羽のパヴァーヌ
 Giorgio de Cama
16.6
5
5
2
0099-0042-01
 青い花  望月 香矢子
9.2
1
1
3
0299-0030-05
 ガマン大会  開楽 智治
7.9
8
6
4
0099-0009-39
 今年もよろしく  日南田 淳子
7.3
15
5
5
0099-0017-54
 花のある風景 うず  木村 伸子
7.2
6
3
6
0099-0009-55
 落ち葉  日南田 淳子
6.6
2
2
7
0099-0002-87
 恥ずかしがり屋のポスト2  佐藤 隆俊
6.4
13
8
8
0299-0026-08
 言葉にできない  夜舟
5.6
1
1
9
0199-0021-26
 もの想ふ  荒木 陽子
5.5
7
5
10
0099-0032-09
 うれシーサー  わたなべ あや
5.3
4
1

●○全体の動向○●

お正月も終わり、2003年も日常の生活が始まりました。

昨年末はBe.Tooの移転で、サーバーのトラブルなどいろいろありましたが、おかげさまでサイトの閲覧/投票画面の見直しなど、以前から課題だった改善項目も少しずつクリアにして行くことができました。
14日の展示からさっそく新しい画面になり、閲覧から投票まで7〜8画面かかるところが、最短で3画面で済むようになります。
携帯サイトも新しいアドレスで、正式にスタートしているので、どこまで広がるのか楽しみです。

前回の展示からサイトが中心になったため、懸念された男性層の落ち込みに関しては、今回の男女比が1:2と基本的には以前と同じ傾向となり、大きな変化はありませんでした。
年齢層としては、女性は若年層が強く、男性は壮年層が強い傾向があるようですが、年末年始という特別な時期ですので、今後の推移を見てみたいと思います。

初展示でのベスト10入りを果たす作品の増加は、今回も続いており、2点が初展示で新たに選出されました。
ネットの場合は、固定ファンがつきやすく、広がりも期待できるため、ファンの有無が得点に影響されやすいため、得点差が大きくなる傾向があるようです。
それも含め、閲覧/投票して下さるゲストにも「サポータークラブ」のような会員性をとったらという意見もあり、次の課題として検討されることになりました。
詳細に関しましては、またはっきりしてきたら報告したいと思います。



●○個別作品の印象○●

Giorgioさんの「揚羽のパヴァーヌ」は、今回も高得票でトップとなりました。
Giorgioさんの支持者は、少しずつ増えてきていますが、特色としては20代を中心に10代の後半で、女性層にほぼ限られていることです。
作品は、基本はカリグラフィと同じくガッシュやインクを使いペンや筆で描いていますが、納得のできる範囲でPhotoshopなどパソコンによる技法も取り入れています。

2位には、初展示の望月さんの「青い花」が入りました。
同じく「緑の使者」も18位となり、初回から大きな支持を集めており、これからが期待される作家です。
「青い花」は、女性層が中心で年齢層はどちらかというと高めのようです。
作品は、大判のボードにガッシュで描いています。
パソコンを使った表現は、これから始めてみるそうですが、基調色に青を多用しているので、しばらくは色の違いに悩まれるかも知れません。

開楽さんの「ガマン大会」は、今回は3位です。
現在登録されている作品は、全てPhotoshopで描かれていますが、パソコンで描かれているとは思えない雰囲気のある表現が、開楽さんの絵の特色です。
昨年のBe.Too展に出展した作品の中には、パステルで描かれたものもありましたが、CGの作品と違和感なく同じ雰囲気でまとまっており、どちらも道具として自分のものにされていることがわかります。

日南田さんは、ちょろぴが炬燵に入った「今年もよろしく」が4位に、ちょろぴが落ち葉に埋もれている「落ち葉」が6位と、2点がベスト10に入りました。
ちょろぴは、フォルモなどの粘土で作られている作品で、子供から大人まで女性を中心に幅広いファン層を持っています。
最近は絵本のために、粘土の背景などの作り込みや、PhotoshopによるCGとの合成など、表現の幅を広げています。

木村さんの「花のある風景 うず」は、今回5位となりました。
この作品のファンは、以前のBe.Tooに来られるゲストが中心でしたので、お店の移転が影響しているようです。
初期の作品はフィルムでしたが、昨年からデジタルカメラにほぼ切り替えたようです。
パソコンによる加工はまだ手掛けていないので、これからの課題ということですが、このところ忙しいらしく撮影する機会がないようです。

佐藤さんの「恥ずかしがり屋のポスト2」は、今回7位となり、ゼネラルイメージが目前になってきました。
フイルムが中心だった佐藤さんも、デジタルカメラの進歩に、新しい道具としての可能性を追求しています。
Tooの販売している、印刷のためのデジタルカメラのプロファイル変換の書籍を基に、プロとしての実用に耐えられる使い方を研究しているので、近いうちにclick!network会員向けの勉強会が開かれるかも知れません。

夜舟さんの「言葉にできない」が初展示で、前回の「雨音」に続き8位に入りました。
夜舟さんも若い女性が中心に支持されていますが、男性の支持もすこしずつ増えているようです。
東京から離れたところで活躍されている作家の方には、ネットは多少なりともハンディを克服してくれる要素になります。
ただ、前回も書いたように、原画の線の繊細さがネットでは見せられないので、それが残念です。
昨年の福岡での個展で、ひとつの区切りがついたそうなので、今年は楽しみですね。

荒木さんの「もの想ふ」が9位となりました。
透明水彩でニャーミィを中心に描いている荒木さんですが、写真もかなり力を入れています。
モチーフの選び方が、現在ロンドンに留学している宮坂さんとかなり近いものがあり、並べてみると立体写真のようにそれぞれのモチーフが浮かび上がってくるものがあります。
やはりフィルムが中心でしたが、昨年末からデジタルカメラを始めました。
どのような作品がでてくるのでしょうか。

12月に結婚したばかりの、わたなべさんの「うれシーサー」が10位に入りました。
今年は秋に絵本も予定されているので、張り切っています。
シーサーの絵は、色鉛筆や絵具で描いていましたが、昨年から粘土や版画など表現の幅を広げてきました。
それとともに、女性中心の支持も幅を広げてきたようです。
今のところパソコンで描く考えはありませんが、道具としてどこまで使えるかには興味があるようですので、これからもホームページなどに挑戦もして行くことでしょう。

ベスト10外では、11位「雨音」夜舟さん、12位「D公園にて」開楽さん、13位「顔のある風景/ニコリンネ」佐藤さん、14位「なあに」なおねこさん、15位「漂う記憶 続く階段」宮坂さん、16位「さよなら」夜舟さん、17位「ひつじ執事」宇多川さん、18位「緑の使者」望月さん、19位「morning」開楽さん、20位「親子シーサー」あやさんとなりました。

今回は、それぞれの会員の技術面に触れてみました。
特にパソコンとの距離は各人各様ですが、求めている表現も違うのですから、無理をして使う必要はないと思います。
ただ、生活の中では避けて通ることはできない道具であることは確かなことですが...。

以上でした。


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