美術茶論

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ライブギャラリーBe.Too
第49回ベスト10発表

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2002年08月26日〜09月13日

ぺっこり夢 2002/08/26/〜09/13投票順位 

順位
作品ナンバー
作品名
会員名
レイティング
展示数
選出数
1
0099-0017-24
 廊下・横
 木村 伸子
13.3
9
8
2
0199-0006-10
 Vivian Rose  Giorgio de Cama
12.0
13
10
3
0099-0010-23
 顔のある風景(駐車猫/駒込)  I F
11.4
12
11
4
0099-0001-19
 南海の芽吹き  もと のりゆき
9.5
18
9
5
0299-0030-02
 morning  開楽 智治
6.5
5
2
6
0199-0025-02
 空2  山崎 雅美
6.3
8
8
7
0099-0017-07
 オーイ!  木村 伸子
5.9
25
8
8
0099-0017-33
 帰省  木村 伸子
5.3
5
5
9
0199-0015-02
 トラック  須藤 由希子
5.1
17
5
10
0099-0002-87
 恥ずかしがり屋のポスト2  佐藤 隆俊
4.5
8
3

●○全体の動向○●

8月15日から31日まで続いた「ライブギャラリーBe.Too 2002 Summer 展」も好評のうちに終わり、会場に詰めた会員の中にはファン倶楽部ができた人もいたようです。
会場には、子供からお年寄りまで、幅広いゲストが訪れ、こちらから声をかけると皆さん熱心に意見を聞かせてくれました。
来年はもう少し準備に時間をかけて、より密接な触れあいができるようにしたいと言う意見も強く、これからの活動の方向性もはっきりと見えてきたようです。

今回の投票は、恵比寿のギャラリーとBe.Tooのサイトに加え、展示会場でも行ったので、通常の2倍の量になりました。
ゲストはギャラリーでは男女比が1:1となりましたが、サイトと会場の投票を加えると5:7となり、女性層が強い標準のパターンに近くなっています。
年齢層は、恵比寿のギャラリーやサイトでは、あまり見かけない小学生や中学生が、展示会場に訪れて投票に参加してくれたので、可愛らしい作品が動くと思われましたが、子どもたちの投票は若い女性層とあまり違いがありませんでした。
これは展示してある作品の質の違いが反映されたようです。
漫画やアニメのキャラクターが展示されていれば、恐らく動向は大きく変わったことと思いますが、それ以外の作品では子どもたちの見る目は、大人とあまり差がないということでしょうか?それとも、大人達が子どもたちと差がないと言うことなのでしょうか?

今回のベスト10は、投票数が多くなったことで、今までと全く違った傾向が出てくると言うことは、ありませんでした。
新規展示作品の動きも大きく目立つものはなく、むしろいつもの傾向がより強く出た感もあります。
17日から、携帯ギャラリーも試験的にスタートするので、これからの動向が楽しみです。

9月に入ってからは、肌寒い日も訪れるようになりました。
恵比寿のBe.Tooは隣のマンション工事の影響で、歩道が占拠され相変わらず入りにくいい状況が続いています。
さて、次回はどういった動きが見られるのでしょうか。



●○個別作品の印象○●

前回と変わらず、木村さんの作品は3点がベスト10に入っています。
ベスト10トップは、今回も「廊下・横」が入りました。10代の若者や子どもたちには関心が無いようで、やはり年齢層の高い方の支持が目立つようです。
「顔のある風景/オーイ!」は今回は7位に、「帰省」が8位に入りました。
夏らしさの強い「帰省」は、肌寒さが強まってきたので、これからの動向が注目されています。

今回も2位となったGiorgioさんの「Vivian Rose」も、次回には「カナリア」に続いてゼネラルイメージとなり、一般展示から外れることになります。
新作も登場し、入れ替わりになりそうですが、その次の作品も構想がかたまってきたようなので、また近いうちに並んで登場するかも知れません。
カリグラフィと絵の関係も、次回作ではかなり近づいてくるようなので、新作の動きも気になるところです。

I Fさんの「顔のある風景(駐車猫/駒込)」は、今回の3位でゼネラルイメージとなりました。
「顔のある風景」は、その顔の見立て方で、比較的対象層が固定化しやすいのですが、この作品は珍しく年齢層や男女差がなく幅広い支持を集めています。
このシリーズは、顔との出会いが決め手になるので、IFさんには、これからまたどんな出会いが待っているのでしょうか?

もとさんの「南海の芽吹き」が、今回は4位に入っています。
南の島の風景が夏らしさを強調してくれますが、誰が見ても心安らぐもとさんの「ヒーリング・シリーズ」の作品は、小学生からお年寄りまで、男女の差もなく広い支持を集めています。
本当に大きな画面で見ていただけると良いのですが。

開楽さんの作品も、すっかりベスト10の常連になってきました。
今回は「morning」が5位となっています。
Be.Too展でも本を見た方から、もっと他の作品を見てみたいと言うリクエストをいただきましたが、発想がユニークなので開楽さんならではの作品が多く、次の期待に続くのでしょう。
画材やソフトが違っても、一貫した世界を表現できる力があるので、メディアを越えてこれからの活躍が期待されます。

山崎さんの「空2」は、ベスト10連続記録を8回にのばしました。
今回は6位となっています。
「空シリーズ」は「空7」が残り、17日からの展示では「空8」とともに「青」の作品が並ぶことになりました。
「青」の動きに注目して行きたいと思います。

須藤さんの「トラック」が、今回は9位で再登場しました。
須藤さんの作品は、ムンクのように漠然とした「不安」感を感じさせてくれます。特に女性層の共感が強いのが目立っています。
今回は「関東大震災」「9.11テロ」「株価不安」など、マスコミが取り上げるものに明るい話題がなく、どちらを向いても「不安」から逃れることはできません。
特に感受性の強い人には、厳しい時代が続きそうです。

佐藤さんの「恥ずかしがり屋のポスト2」が、10位となりました。
この作品もシリーズとなり、17日からの展示では新作が登場しています。
この作品は最初は「心に残る風景」として登録されましたが、ポストの「個性」が強く新規作品からは「顔のある風景」として登録されるようになりました。
二つの「風景」を結ぶ架け橋のようなシリーズになりそうで、IFさんも自分の作品に幾つか「恥ずかしがり屋のポスト」を見つけたそうです。近いうちにまた広がりを見せてくれるかも知れませんね。

ベスト10外では、11位「漂う記憶/続く階段」宮坂さん、12位「すいか」なおねこさん、13位「朽ちた木」おおばさん、14位「もの想ふ」荒木さん、15位「心に残る風景/大人は愉しい!」佐藤さん、16位「今年もよろしく」日南田さん、17位「D公園にて」開楽さん、18位「Greyish Rose」荒木さん、19位「大道芸人」開楽さん、20位「空中金魚」南河さんとなりました。

以上でした。


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