美術茶論

click!network:
ライブギャラリーBe.Too
第40回ベスト10発表

click!net
2002年01月07日〜02月01日

ぺっこり夢 2002/01/07〜02/01投票順位 

順位
作品ナンバー
作品名
会員名
レイティング
展示数
選出数
1
0199-0006-10
 Vivian Rose
 Giorgio de Cama
12.4
4
2
2
0099-0017-12
 さとこの道  木村 伸子
9.8
9
2
3
0099-0002-79
 恥ずかしがりやのポスト  佐藤 隆俊
8.8
5
3
4
0099-0010-23
 顔のある風景(駐車猫/駒込)  I F
8.5
3
3
5
0099-0004-15
 子供への愛  斎藤 ユノ
8.2
15
5
6
0099-0004-16
 家族への愛  斎藤 ユノ
7.0
15
3
7
0199-0014-03
 雪  竹内 みわ
6.8
15
10
8
0199-0012-10
 下宿6  風の宮そのえ
6.7
5
1
9
9099-0006-07
 SHADOW STEPS  いのまた みゆき
6.4
9
5
10
0099-0017-01
 アッ?!  木村 伸子
6.1
18
11

●○全体の動向○●

2002年に年が明けても、世界的な不況色から、日本の政治や経済の見通しがたたないためか、景気の悪化ばかりが目立ちます。先行きが不透明と言うよりも、明るくならない事が見えてきたと言っても良いでしょう。今やどんな些細なことでも日本の国の中だけで終わると言うことは、まずありません。
クリエイティブの世界も、いよいよグローバル化の浪が見えてきました。音楽や映画の世界では、韓国のアーティストや俳優が身近な存在になりつつあります。アニメの世界や漫画の世界でも、アジアからの動きが始まっています。クリエイターも技術的なものだけでなく、企画力と言ったモチーフを掴み、掘り下げる力が求められてきています。

ギャラリーでは大きな動きはなく、ゲストの男女比は1:1と、男性層が増加していますが、これは年始などビジネスでの動きが反映されているようです。

クリスマスに続き、お正月テーマの作品も何点か展示されましたが、あまり目立った動きはありませんでした。その中では、日南田さんの「おれちょろぴ」シリーズの「今年もよろしく」と言う作品が、日本的な炬燵に蜜柑という分かりやすい組み合わせで、支持を集めています。
新規会員の動向は、少しずつ動き始めていますが、まだ大きな動きはありません。2月の展示は1/3の入れ替えを行ったので、また新作の動きに注目したいところです。
今月からWebでのライブギャラリー「Be.Too」でも、投票ができるようになります。恵比寿のギャラリーと比較しながら、新しい動きが期待できるでしょう。

●○個別作品の印象○●

前回に続き、Giorgioさんの「Vivian Rose」が、連続で1位となりました。

作風としては、まだ一般的ではありませんが、それだけに固定層の支持が目立ちます。
ただ、カリグラフィとイラストの融合と言う実験的なスタイルだけに、まだ安定した作品の制作が難しく、このチャンスをどのように活かして行くかが、問われるところになるでしょう。

「さとこの道」で木村さんの作品が2位となりましたが、これは作者の妹をとり続けているシリーズなので、これからも連作として新しい作品が期待されています。新規の「Be.Too」サイトでは、検索機能も加わり、過去の展示を含め、このようなシリーズ作品の鑑賞も可能になりました。新しく始まる特集ページや、この美術茶論との連係も積極的に行う予定なので、もうしばらくすると、また違った面も見えてくることでしょう。
木村さんの作品では、あと10位に「顔のある風景/アッ?!」が入っていますが、最近は「花のある風景」と「心に残る風景」が中心で、なかなか次の「顔のある風景」が見つからないようですね。

3位の佐藤さんの「顔のなる風景/恥ずかしがりやのポスト」は、ただ顔が見立てられると言うだけでなく、感情表現も感じさせる「顔のある風景」の新しい方向性を明確にしてくれました。これもシリーズ作品として新しい作品も展示されているので、ゲストの反応が気になるところです。

4位のIFさんの「顔のある風景/駐車猫」も、思わず見る側もニヤリとしてしまうような作品です。排水孔など働く物の顔を撮っているIFさんの作品は、現代人のモラルと言ったものを考えさせられる作品も多いのですが、やはり時代的な背景からか軽く微笑んでしまう作品に好感が集まるようです。

5位の「子供への愛」、6位の「家族への愛」は、もともとリアルな女性を描いていた齋藤さんが、母親の視点から描き始めた軽いタッチの作品で、子供や家族への愛情が素直に表現されているところが、女性層の共感を呼び、支持を受けています。今大きな作品に取り組んでいるそうですが、もうしばらくしたら、この新しい作風の作品も見ることができるでしょう。

7位の竹内さんの「雪」は、猫を描いた作品の中で一番長く展示され、ベスト10にも10回選ばれています。新作の展示も今回分から始まりました。その動向も注目されています。

風の宮さんの「下宿6」は、「下宿」シリーズの一番新しい作品ですが、展示5回目に7位に選ばれました。当初の作品は男性層が中心になっていましたが、この作品は若い女性層の支持も集めています。
回を追うごとに、作品が分かりやすくなって来ているようなので、これからが楽しみですね。

ベスト10の常連になっている、いのまたさんの作品は、今回は「SHADOW STEPS」だけが8位に選ばれています。一時期強かった「マドンナ」は、不況や社会情勢が悪くなるに連れ、弱くなっているようです。社会状況と好まれる絵や写真の性格は関連はあると思われますが、恵比寿のギャラリーだけでは何とも言えません。今回から始まるネットでの投票で、データがより広範囲に集まれば、そのような分析も可能になるでしょう。


ベスト10外では、11位「素敵な階段」木村さん、12位「ヨコムキッズPEE」朝倉さん、13位「マドンナ」いのまたさん、14位「そら豆」東田さん、15位「Lighthouse」入山さん、16位「お月様のダンスライブ」日南田さん、17位「シーサー」木村さん、18位「A year of the Tree's house 11〜12月」、19位「A year of the Tree's house 9〜10月」入山さん、20位「オーイ!」木村さんとなりました。

以上でした。


▲先頭に戻る
 ■作品及びclick!networkへのお問い合わせは、こちら